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NARUMI BOOK BONECHINAボーンチャイナと磁器のはなし

ボーンチャイナと磁器のはなし

ボーンチャイナと磁器のはなし

ボーンチャイナと磁器のはなし

はじめに、「おいしい」ということを考えて見ます。 おいしいという感覚は、味覚、視覚、嗅覚、触覚、聴覚の五感すべてが揃って本当においしく感じるといわれています。

おいしい」と聞くと、舌で感じる味覚だけと思われがちですが、こんな実験結果があるそうです。最も「おいしい」という記憶を引き出す感覚は、視覚が80%以上の割合をしめ、味覚は5%程度だそうです。 次に嗅覚、触覚、聴覚と続きます。

味覚は、甘い、しょっぱい、酸っぱい、辛い、苦い といった五味を感じるだけで「おいしい」と感じるのは、視覚を中心とした五感によるものだということです。もちろん「おいしい」と感じる基準はそれぞれで、食する方の人間性であり、感性であることは言うまでもありません。

NARUMIボーンチャイナは、フリット釉を使っています。 これは磁器との製造工程の違いから使われています。磁器で使われる石灰釉や滑石釉よりも、釉薬の溶け出す温度が低いため表面が滑らになりやすく、光の反射が高くなるため美しい光沢を出すことができます。

シルクのように光沢のあるボーンチャイナのホワイトは、まわりの色を引き立てます。まわりの色がきれいに見えるということは、お料理をさらにおいしく見せてくれます。視覚を通して「おいしい」と訴える力がそれだけ強いことを意味します。ボーンチャイナのティーカップで紅茶を飲んでみるととてもおいしくいただけます。 これは紅茶の色とNARUMIボーンチャイナの乳白色のホワイトがよくあっていて、私たちの視覚を通して、おいしいという気持ちにさせてくれるからではないでしょうか。

ボーンチャイナと磁器のはなし
ナルミのティーカップ

絵具の溶け込みがよく、鮮やかな発色とでシャープな線を出せるので、繊細かつデリケートでやわらかくやさしい絵柄を付けることが可能です。

細やかな表現が可能なので、お花のモチーフなど濃淡をはっきりつけることができ、それだけ素敵な絵柄を付けることができます。 素敵な絵柄を見ながらいただくティータイムは、それだけで「おいしい」という気持ちを呼びおこさせ、豊かな時間を持つ気持ちへとつながります。視覚を通し、豊かな気持ちを持つことで、お料理やお茶をさらにおいしくものへとしてくれます。

また、手にとっていただくと感じていただけますが、ボーンチャイナの肌触りは、しっとりしています。なんともいえないやわらかさを感じます。素地そのものや形状の繊細さ、釉薬のとけ込みの良さや滑らかさが、指にやわらかさを感じさせてくれるのでしょう。

ナルミのティーカップ

ほんの少しの感覚ですがその肌触りは、私たちの触覚を刺激し「おいしい」という気持ちを呼び起こしてくれます。 想像してみてください。

ボーンチャイナのカップに入ったお茶の色、お茶の香り、カップをもった手の感触、お気に入りの音楽、とともに口にするお茶の味とその温度。すべてが揃えば、きっと「おいしい」に違いないと思いませんか。ボーンチャイナの良さは、そんなお手伝いをさせていただくところにあるのです。

また、食器を洗ったあと、水切れの良さも感じます。スポンジで丁寧に洗った後、立てておくときれいに水が切れていることを感じる時があります。フリット釉の滑らかさによるところで、滑らかであるがために、しずくが落ちやすく水切れが良いと感じるのです。

ボーンチャイナの良さは、ほんの小さなことの積み重ねかもしれません。ほんの小さな一瞬一瞬を私たちは大切にしています。そして私たちは、"いいものとの出逢い"を通して、お客様の食卓に幸せをお届けしたいと思っています。

ナルミのボーンチャイナ

感性だけでなく、ボーンチャイナと磁器にはそれぞれの特徴があります。それは、歴史であり、製造工程における原料、成型の技術力、焼成の方法であったり。

また、物理的特性から見ればボーンチャイナは、硬質磁器に比べ曲げ強度が強いであるとか、形状にはよるものの衝撃強度があるとか、透光性があるなどと言われます。

概観的には温かみのあるホワイトで、釉薬(フリット釉)の熔解点が低いため釉薬が滑らかになり、絵の具が溶け込みやすく、鮮やかな発色とシャープな線をだすことができると言われています。もちろんこの物性があるからこそ、ボーンチャイナを良い器と感じることにつながるのです。

ナルミのボーンチャイナ

ボーンチャイナと磁器の特徴

ボーンチャイナ 磁器
歴史 1748年 英国で開発
1894年 瀬戸窯業学校で試作
1956年 鳴海製陶で量産化
1000年頃 中国景徳鎮で開発
1604年  有田で日本初の白磁が作られた。



主な原料 骨灰(燐酸三カルシウム)
長石・硅石・カオリン・蛙目粘土
長石・硅石・カオリン・蛙目粘土
成型 骨灰分が多いため、可塑性が低く成型には高度な技術を要する。 粘土分が多いため、可塑性が高く成型が容易である。
焼成 焼成温度
締焼:1250℃
釉焼:1150℃

酸化焔焼成
軟化度が低く、焼成難度が高い
焼成温度
素焼:800℃
本焼:1200℃~

還元焔焼成
軟化度が高く、焼成は比較的容易。

色調 温かみのあるホワイト
(燐酸三カルシウムが作用して、原料中の鉄分の呈色を消す)
釉の表面は、優雅な乳白色で、明るい色調になる。
冷たいホワイト
(精選された原料でも、鉄分が含まれるため多少呈色する)
釉の表面は、青み又は淡い灰色になる。
加飾 熔融点の低いフリット釉を使うため絵具が釉薬に溶け込み鮮やかな発色をする。 熔融点の高い石灰釉や滑石釉を使うため絵具の溶け込みが悪く艶の少ない発色をする。



強度 曲げ強度は、磁器と同等かそれ以上
衝撃強度は形状により左右される
曲げ強度 1000~1200kg/㎡
衝撃強度は形状により左右される
釉薬
硬度
光沢
フリット釉は、滑らかな表面を作り光の反射率が高く美しい光沢を。 石灰釉や滑石釉は硬度は高いが釉表面の平滑度と光沢度は低い
透光性 燐酸三カルシウムの作用によりボーンチャイナ特有のすばらしい透光性を有する。 透光性はあるが、ボーンチャイナに比べると低い。